2015年12月23日水曜日

授業をデザインする

お久しぶりです。

こちらはクリスマスホリデーに入りました。
特に大学や研究室のような職場では、授業やテストが12月上旬に終わると、1人、また1人と母国に里帰りしたり南国へバカンスに行ったりで、徐々にフェードアウトしていきます。
日本のように年末の休みは皆一斉に〇〇日から!と明確な線引きはないようで、なんともぼんやりとした基準のようです。働き方がずいぶんフレキシブルです。


自分は実は先週、研究計画の発表を無事に終え、晴れてPhD candidateとなりました。これで、あとは博士論文提出に向けて研究に専念するのみです。これからの道がまたまた険しいですが、ここまでの数多くのmilestoneを超えてきたのがけっこう自信になっています。


さて、クリスマス直前でも実はまだアサイメントに追われています。
この秋学期で必修コースをすべて取り終わるのですが、最後のコースがかなり面白かったです。Teaching & Learning in Higher Education というテーマです。最後のアサイメントではコースのデザインをポートフォリオにして提出するのですが、きちんとしたコースデザインをするというのが、こんなに時間のかかる作業だとは思いませんでした。

今回、自分はBiomechanicsの授業を作っているのですが、学習目標や評価内容や授業の内容だけではなく、それらが整合性があることを常に確認しながら行わなければならないので、1回の授業をデザインするのに2時間くらいかかっています。。人に教えるって、授業だけではなくてその準備が大変なんですね。。でも、デザインをしっかりしておくと、もう準備ができているので、実際の授業では教師はかなり楽ができるようです。教師の役割についての考え方がずいぶん変わりました。

そういえば、これまで受けてきた授業(とくに日本)って、どうも教室で先生が一人語っているのみの講義が大半だった気がします。PTの分野では実技もありましたが。。。授業における学生と教師の役割は、教育学の中ではもう20年以上前から変化が求められているようでうすが、実際の教育現場ではまだまだ伝統的な形式にとどまっているケースが多い印象です。


この授業は教育学部が提供している授業なのですが、さすがは教育のプロ。すごい授業が面白かったです。こんな授業ができるようになりたいな、と思いながらアサイメントをしています。。慣れればもっと早くデザインできるようになるんでしょうか??

Biomechanicsは臨床で非常に重要な領域ですが、大学の講義では理論や計算論中心で、臨床で役立った覚えはあまりないです。。。そこで、今回自分がデザインしているコースでは理論や計算も行いつつ、臨床への応用を意識した内容にしています。
例えば、center of pressureやcenter of massの計算と並行して、それらがどのように交互作用するのか、また動作ではこれらのパラメターがどのように振る舞うのか、などを実習も交えて行います。こんな授業が受けたかった・・・と思う授業をデザインするのはなかなか楽しいもんです。

なんとかクリスマスまでに提出して、そのあとはクリスマスホリデーを楽しみたいです。。。

2015年11月20日金曜日

リハビリテーション・理学療法系の大学院に留学するということ

こんにちは。

Comprehensive Examinationをパスしてから、ようやく研究に専念できるようになってきました。
自分の在籍する博士課程では、必修科目が8科目(19単位)と、選択科目を最低2科目(6単位)以上取得する必要があります。

自分はこちらでの博士課程にすすむ理由が研究に必要な技能を習得することだったので、選択科目をさらに取り、この2年間で計33の単位を取得ました。

必修科目の内容:
Seminar in rehabilitation (セミナー)
Regression analysis (回帰分析法)
Measurement in rehabilitation (リハビリテーション評価法)
Research methodology (研究法)
Research proposal (研究計画)
Teaching and learning in higher education (高等教育での教育と学習について)

選択科目の内容:
Motor control (運動制御)
Perception and action (知覚と行動)
Fundamentals of academic writing  (学術ライティングの基礎)
Biostatictics for health professionals (医療統計)
Fundamentals of academic presentations (学術プレゼンテーションの基礎)
Pronounciation for effective communication (発音)



自分は2013年の8月にモントリオールにやってきて、9月から授業をスタートしたため、特に2013年の秋学期は環境に慣れないこと、また初めての英語での教育ということで非常に苦労したのを覚えています。コースワークがある分、費やす時間と労力は膨大ですが、今となっては、このコースワークを通して得てきた知識と技能が確実に自分の研究者としての糧になっている実感があります。これまでの中学・高校・大学学部・大学院修士での教育で今ほど成長を実感できている時期はないように思います。


現在は最後の必修科目であるTeaching and learning in higher educationを取っています。
この授業がものすごい楽しいです。授業の中で各自一つのコースデザインを完成させていくのですが、コースデザインがこんなに楽しいとは知りませんでした。先生の役割の大半はコースデザインで、あとは実際の授業は学生が主体だというのに目から鱗が落ちる思いでした。いま、自分はBiomechanics の授業をこれまでとは全く違った形態で教えるコースをデザインしています。
これまで教育論に関する授業は一つもとったことがありませんでしたが、この授業が
終わった後ももっと勉強したいと思います。

さて、自分が在籍する学科の大学院はコースワークが多いですが、これは大学によって、また国によっても大きく異なるようです。

例えば同じカナダ国内でもトロント大学などは授業のワークロードはほぼなく、


  • REH 3100H Advanced Rehabilitation Research Issues (0.5)
  • REH 3001Y Rehabilitation Presentations & Proceedings (1.0)
  • An advanced Research Methods course (0.5)
  • の3つのみが必修のようです。
    http://www.rsi.utoronto.ca/doctor-philosophy-phd

    またオーストラリアの大学院、たとえばシドニー大学などでも博士課程では授業はほぼ無いようですね。


    今後、リハビリテーション系の領域でも日本国内で理学療法士・作業療法士の資格をとった後、大学院で学位をとるため留学をする人はおそらく増えていくでしょう。しかし、海外に行って、一流の研究機関で最先端の研究をして学位を取って、自分の身になるものはおそらく論文と自分の研究プロジェクトで培った知識と技能が主だと思います。それはそれで立派な成果だと思うのですが、やはりその後、最先端の理想的な環境でない状況に置かれても自立して研究ができるだけの研究者としてのスキルがあるのか、ないのか、それが研究者として成功できるかというひとつの分かれ道な気がします。

    自分は、日本のリハビリテーション系大学院というまだまだ発展途上の環境を良くしていきたいという思いがあります。そのような環境では、世界最先端の研究を行う同僚もいなければ、資金も資源も限られています。そのようなときに必要なのは、博士課程でいかに大きなRCT(治療効果を検討する実験研究)やインパクトの強い論文を書いたか、のみではなく、研究者として周辺領域の研究者と同等の学術的なレベルで一緒に仕事ができるのかや、研究の方法論をしっかり知っているのか、また臨床や地域の現場にあるニーズに科学的にアプローチできる術かあるのか、がとても大事な気がするのです。

    留学の目的やキャリア目標にもよるのかもしれませんが、自分のように研究の基礎から学びたいという人には、ぜひ徹底的に授業も充実したプログラムをお勧めします。もちろん大学院卒業までにかかる時間と労力は膨大ですが、日本の大学院やそのほかの研究に特化した大学院プログラムと比べて得るものははるかに大きい印象です。

    結論からすると、今は自分の選んだ道が正しかった実感が少しずつわいてきて、少しずつ自信になってきた、ということです。現実には授業の準備、研究のデータ測定、プロトコール発表の準備などでてんやわんやで、まだまだ博士課程修了までの道は遠いですが。。。

    2015年11月11日水曜日

    モントリオール地下鉄新車両導入 ~続編~

    こんにちは。

    モントリオール地下鉄が新車両を導入するというプロジェクトが立ち上がってから久しいですが、新車両がメトロのオレンジライン、ブルーラインの中を現在乗客を乗せずに毎日テスト走行しているとのことです。

    http://globalnews.ca/news/2184996/new-montreal-metro-cars-to-be-tested-on-orange-and-blue-lines/

    なんの問題もなければ、今年の末には新車両が普段のダイヤで乗客を乗せて走り出すとのことです。果たして年内に実現可能となるのか、注目です。

    新車両ですが、どうやらボンバルディア製の車両らしいです。ボンバルディアといえば、モントリオールに本社を構える航空機器の会社で、日本で話題になっている国産旅客機、三菱MRJのライバル機を作っている企業です。

    どのような車両なのか、乗るのが楽しみです!

    2015年11月10日火曜日

    カナダで柿

    こんにちは。

    日本の秋の味覚の一つが柿ですね。
    今日、研究室の同僚がお昼に柿を食べていました。。
    まさかモントリオールで柿が見られるとは思ってもいませんでした。



    その同僚によると、Costcoで8個で$7で売っていたそうです!
    柿は英語名ではPersimmon。

    しかし今や日本語名のままKakiの方がかえって通じるとのこと。
    ブラジル出身の同僚もKakiと呼んでいました。

    そんなとき、ブラジル出身の同僚とこんな会話がありました。。。

    Yosuke  "There are trees of persimmon that bear fruits every 2 years in the backyard of my home"
        「日本の実家の裏庭に柿の木があって、2年に1度たくさんなるんだよな~」

    同僚 "What?? Can persimmon bear fruits in Canada??"
        「え、カナダで柿なるの??」

    Yosuke     "No, I mean, my home in Japan"
                     「 いや、日本の家ってこと」

    同僚  "Oh, I don't call home in Brazil as "home" anymore..."
        「あ、そういうこと。もうブラジルの家を家って呼ばなくなったなぁ。。。」


    同僚はすでにカナダに移住していて、彼にとっての家はカナダなんですね。
    自分にとってはカナダは仮の家で、やはり柿が当たり前に食べられる日本が家だよな~とふと思った秋のある1日でした。

    2015年10月29日木曜日

    冬の天気予測

    こんにちは。

    秋がもうすぐ終わりそうです。。今年は葉が落ちるのが遅く、紅葉が長く楽しめています。
    先日は霜がおりました。



    毎年、この時期になるとテレビやネット上では今年の冬は寒くなるだの、暖かいだの予測が始まります。どうやら、Farmers' Almanac、つまり農家が予測する長期天気予報では、今年の冬は去年同様にかなり寒くなるとのことです。

    http://farmersalmanac.com/weather-outlook/2016-winter-forecast/canada-2015-16/

    一方、カナダの気象庁によると、今年はエルニーニョ現象の影響で暖冬になるとのことです。

    https://weather.gc.ca/saisons/prob_e.html

    農家が正しいか、気象庁が正しいか、真価が問われます。
    これで気象庁の予想が外れたら、カナダの天気予報はますます疑いの目をもって見ることになるでしょう。。

    いずれにしても、日本より寒いのは確実なので、期待し過ぎないのが一番よさそうです。


    2015年10月18日日曜日

    ASNR&SfN 2015

    こんにちは。
    いま学会に参加するためにシカゴに来ています。
    今年最後の学会で、American Society for Neuro-Rehabilitation学会と、Society for Neuroscience学会 との学会のハシゴです。


    SfNは参加人数が33000人と超大規模な学会で、大規模な会場で行われます。アメリカ国内でもサンディエゴ、ワシントンDC、シカゴの3か所でしか行うことができないようで、この3か所を毎年ローテーションして行われています。


    ASNRはSfNの直前に毎年行われる神経系リハビリテーションの学会で、こちらは北米を中心にかなり有名な神経系リハビリテーションの最先端の研究がギュッと詰まった興味深い内容ばかりです。


    PhDの課程に入るまでは参加したことのある学会は日本の理学療法関係の学会ばかりでしたが、今ではもう理学療法の学会は3年間くらい参加していません。これまでの3年間で色々な学会に参加していますが、まだまだ新しい出会いがたくさんあり、とても楽しんでいます。特に自分の研究が進むにつれて、その結果をどのように解釈するのか様々な意見を聞けるのはとても助けになります。。

    ところで、シカゴのホテルはとても値段が高いです。
    これはSfNに合わせて値段が高騰しているのか、それともシカゴの地価が高いためなのかはわかりませんが、2つ星でも150ドルくらいします。まして今はカナダドル安、アメリカドル高のため宿泊費を節約するため、シカゴ郊外にある家を研究室のメンバー7人で1週間借りきっています。全て含めて4000ドルですので、かなり安いです。

    しかし、ここはアメリカ。しかもシカゴ。治安が問題です。これまで利用した7台のタクシーの運転手に聞いたところ、どうやら自分たちの宿泊している地区は治安が良くないようです。家の中はとても快適で、あくまでグループで行動している限りは危険はないのですが、近所の地区は殺伐としています。カナダとアメリカで、治安の悪いといわれる地区のレベルの差を感じています。

    2015年10月7日水曜日

    Fall 2015

    こんにちは。
    モントリオールにも短い秋がやってきました。こちらに来て3度目の秋です。

    気温も過ごしやすく、木の葉も急に色が変わってきました。
    こちらの紅葉はせいぜい1~2週間で、あっという間に色が変わって葉が落ちてしまいます。
    大学の学部のそばにある楓の木が、同じ木なのに二色に紅葉して、毎年楽しんでいます。




    短い秋が終わるともうすぐ厳しい冬到来です。
    今週末のThanks givingはNew Yorkへ2泊3日の旅行に行ってきます。

    来週は水曜からChicagoでNeurorehabilitationとNeuroscienceの学会に続けて参加してきます。これで今年の学会イベントはすべて終了になります!

    今は学会の準備と、今週末にあるSupervisory Committeeのミーティングの準備で忙しくしています。昨年の3月以来のミーティングで、だいぶ研究も進んできたため、いいプレゼンにしたいと思います。2時間のミーティングで、1時間発表、1時間の質疑・ディスカッションを予定しています。

    学会が終わったら少し時間もできるので、学会の様子などアップしたいと思います!

    2015年10月3日土曜日

    Fish Market

    こんにちは。

    モントリオールはセントローレンス川の中州に位置していますが、海からは遠く離れているためか、新鮮な魚類が非常に手に入りにくいです。

    スーパーではだいたい、白身魚やサーモンが切り身で売っていますが、とても刺身で食べる勇気はありません。そんなモントリオールでは、魚屋さんの数は極端に少ないです。

    今日はこちらに来て2年過ぎて初めて魚屋さんに行ってみました。
    今日行ったのはLa Merという店で、レストランも併設されていました。

    住所: 1840 Boulevard René-Lévesque E, Montréal, QC H2K 4P1
    グリーンラインのPapineau駅から歩いて5分くらいにあります。




    タイやサバなど、久しぶりに見る魚たちもいましたが、どうも日本で売っているほど新鮮ではないようです・・・


    それでも、上のサバ2匹と、ホタテ4つとエビフライ用の大きめの海老を8匹買いました。値段は日本の3割増し以上といったところです。。

    こちらの魚屋さんでは、無料で肝を出したりコロモをとったり加工してくれるので、大きめの魚を丸ごと一匹買っても安心そうです。

    早速、買ったサバはみそ煮に、ホタテはバター焼きにしていただきました。


    ひとまず濃い味のみそ煮にしてしまえば、多少新鮮じゃなくてもすごくおいしかったです。
    日本にいるときはそれほど魚が恋しくもなりませんでしたが、やはり食べられないとなると無性にたべたくなるものです。

    2015年9月20日日曜日

    モントリオールマラソン

    こんにちは。

    今日は今年最大のランニングイベントであるモントリオールマラソンでした。
    自分はハーフマラソンに参加してきました。

    今回のハーフマラソンでの目標は二つ。
    ① 熱中症にならないで走りきること
    ② 1時間30分を切ること
    でした。

    昨日は28℃まで気温が上がり、また熱中症になるのか??と心配でしたが、今日は朝には12℃と寒いくらいでした。快晴でコンディションは文句なしでした。

    年間何回かあるモントリオールでのマラソンイベントのうち、今回参加したのは最も規模の大きいものです。北米のあちこちでおこなわれているOasis Rock'n’Roll marathon seriesというイベントの一環のようです。今回の参加者は3万人くらいいたようです。。





    ロックンロールというだけあって、コースのあちこちでライブがやっていました。

    さて、問題の結果ですが、まず熱中症は大丈夫でした。
    今回の勝因として、
    ① 事前にちょっと飲みすぎるくらい水分を摂っておいた
    ② 気温が低かった
    ③ ウォーターボトルを持って走った
    ことがあります。特に③のウォーターボトルは効果抜群でした。


    今回帰国したときに奥さんが100均で買ってきたドレッシング用のケースです。
    サイズ、飲み口(注ぎ口)の形状、キャップによる漏れ防止など、ランニング中の水分補給にはオススメです。


    タイムですが、1時間31分50秒でした・・・。
    自己ベストではありますが、目標に及ばずに無念でした。
    普段の練習では17kmのコースを走ったりとだいぶ長めの距離は走れていましたが、スピード練習がやはり足りませんでした。


    ですので、結果としては1勝1敗という結果で、次につながるいい大会でした。
    走り終わった後は一緒に走った友達と、応援に来てくれた友達と、自分と奥さんと4人で公園でおにぎりを食べました。

    来年もぜひ参加しようと思います。

    2015年9月5日土曜日

    ケベックシティ

    こんにちは。
    モントリオールに来てすでに2年になりますが、実はまだほとんど観光していません。
    妻がこちらに来てから、ようやく徐々に観光し始めています。

    先日はケベックシティに行ってきました。
    モントリオールからだと公共交通機関ではバス、または電車で3時間弱の移動となります。
    通常はバスのほうが圧倒的に安いのですが、モントリオール-ケベックシティ間のバスは1社が市場独占状態らしく、電車とそれほど変わらない値段でした。





    また、日曜日にはモントリオールのOld PortにあるNotre-Dameで朝のミサにいってきました。
    普段は入場料がかかりますが、ミサの時間は、写真撮影不可、最後までいることを条件に無料でだれでも参加することができます。
    神父さんのフランス語での説教はまったく理解できませんでしたが、パイプオルガンと合唱が聞けてなかなかよかったです。



    今週末は月曜日がLabor Dayで祝日です。このLabor Dayが終わると、いよいよ新学期が始まります。

    2015年8月23日日曜日

    新生活スタート

    こんにちは。
    約1か月の日本帰省の後、8月21日にモントリオールに戻ってきました。
    これからは妻もモントリオールで一緒に住むことになり、今回日本を離れる時はこれまでとはまた違う心境でした。妻は日本で続けていた仕事を辞めてモントリオールに来ることになりました。またこれから適応するまで大変なこともあると思いますが、お互いに協力しながらやっていきたいと思います。

    モントリオールに戻ってからは、家の掃除、買い物、携帯の購入などなどして忙しく過ごしました。
    もっとのんびり過ごしたいのですが、妻も自分も、やりだすとつい根詰めてしまいます。

    明日は平日ですが、まだ研究室には行かずに役場でできる手続き(在留届提出、口座開設、SIN取得など)を済ませてしまおうと思います。

    今度の9月からは、週一で授業を受けて、週二でTeaching Assistantをさせてもらえることになりました。自分が担当するのは、プロフェッショナルマスター(PTのライセンス取得を目的とする修士課程)Neurological Rehabilitationの授業です。こちらの学生はかなり積極的なので、負けないように頑張りたいと思います。

    Comprehensive examも終わり、自分のPhD課程も折り返しに差し掛かったくらいまできました。まだまだ先は長いですが、地道に頑張っていきたいと思います!!

    2015年8月4日火曜日

    Comprehensive Examの結果通知!!!!

    合格です!!!!!!!!!!

    ようやく結果が出ました。
    これで晴れてPhD candidate (博士候補)になりました。
    だいたい、修正を求められるケースが多いこの試験で一発合格できたのはすごく嬉しいですし、今後の励みになります。今後はComprehensive examで書いた論文を投稿できるようにブラシュアップしていこうと思います。


    あー、よかった。。。
    ようやく心おきなく夏休みを楽しめます。

    Budapestー神戸ー神奈川の旅②

    こんにちは。

    実家にいると時間はあるのですが、意外と運動しないので今日は家から車で30分くらいのところにあるスポーツセンターのジムで体を動かしてきました。

    平日の昼間なので大して混んでいないだろうと予想していましたが、ジムの中は60~70歳代と思われる男女でいっぱいでした。今のご時世、健康に対する意識というのはずいぶん高まっているんだと感じました。


    さて、ブダペストから日本についたのが7月26日で、翌日は神奈川の実家で休憩し、その後28日から神戸へ日本神経科学学会に参加してきました。今回学会で使用しているポスターは常に一緒なので、文字通りポスターとともに世界一周しています。

    日本国内の学会では理学療法学会以外に参加するのは初めてでしたので、楽しみにしていました。神戸の街並みは横浜に少し似ていますが、個人的には横浜よりもごちゃごちゃしていなくて良いと感じました。また六甲山が常に見えるのがまたいいですね。

    六甲山を背に神戸の港がある町並みは、なんとなくMont-Royalがありセントローレンス川があるモントリオールにも似ているかもしれません。


    学会は主にimagingやmolecularの研究が主で、自分のように運動解析を中心としたbehavioralな研究は少なかったです。ただ、運動制御の分野は主にATR(脳情報解析研究所)を中心にしたグループがcomputationに基づいた運動制御研究を盛んに行っていて、とても参考になりました。


    また自分の指導教員らのグループが提唱する運動制御理論を否定する論文を執筆した日本人の先生にも直接会うことができました。学会に参加する前は自分の研究内容も全否定されることを覚悟で行ったのですが、とてもオープンなディスカッションができて大変勉強になりました。


    日本の神経科学の分野も、ずいぶん多様で驚きました。理学療法学会で語られる神経科学というのはずいぶん狭い範疇であって、実は神経科学の一部分でしかないということを再認識しました。理学療法は応用科学に分類されるので、やはり基礎学問領域の学会に参加するのは大事なことのようです。


    3日間の学会もようやく終わり、その後京都を3日間観光した後、昨日ようやくまた神奈川に帰ってきました。これからしばらくゆっくりしたいと思います。

    2015年8月3日月曜日

    Budapestー神戸ー神奈川の旅①

    こんにちは。だいぶご無沙汰しています。
    7月20日にモントリオールを出発して、7月22日からはハンガリーはブダペストにてProgress in Motor Control Xという学会に参加してきました。


    モントリオール→トロント→イスタンブール→ブダペスト
    という旅程でした。途中経由地のイスタンブールで携帯を機内に忘れ、落し物カウンターに行ったところまだ届いていないとのこと。乗り継ぎの便の出発時間が迫っていたため、少々の不安を抱えつつもとりあえずブダペストへ発つ。


    ブダペストは他のヨーロッパの国と比べて、どこか雰囲気が違います。。まず、ユーロ圏にも関わらずレストランや地元のスーパーでは地元通貨、フォーレンしか使えない場所が多いです。

    そして物価がとにかく安いです。1000円も払えばだいぶ上等なご飯が食べられます。ビールだって大ジョッキが100円くらいでした。しかし、輸入品はずいぶんと高く、クロックス1足が8000円くらいしました。おそらく現地通貨がかなり弱いのでしょう。


    そして、見た目からしてよそ者で旅行者のアジア人である自分を見るとすぐに、色々な種類の客引き、つり銭のごまかし、などなど、すごい勢いで遭遇しました。しかし、概ね、身の危険を感じることはありませんでしたので、あくまでしっかりと断ったり確認することを気を付けていれば、十分楽しめる街といえるかもしれません。



    第二次大戦でナチスドイツの支配下となり街が破壊され尽くされた後、ソ連の共産主義の支配が長年にわたって続いたため、経済的な発展はずいぶんと遅れているようです。


    今年の夏はどこも暑いようで、ブダペストも連日40℃近くまで気温が上がりました。ホテルではエアコンをMAXにつけているようですが、普段使わないためか、あまり冷却効果がなくずいぶん寝苦しい思いをしました。

     
     
    寝苦しい夜は研究室の友達や学会で会った研究者たちと安いビールを飲んでしのぎました。ドナウ川沿いの夜景は酒の酔いも混じってか幻想的でした。

     
     
    この学会では最優秀ポスター賞を受賞してしまいました。国際学会で初めて賞をいただいたので、素直に嬉しかったです。
     
    また、受賞以上に収穫があったのは、意外にも日本からの発表者が多く、発表された日本人研究者の方とずいぶん知り合えたことです。日本のニューロリハの最前線で仕事をされている先生ともじっくりディスカッションができて良かったです。
     
    自分の研究テーマや今の経験が見当外れではないんだと、ずいぶん励まされました。
     
     
    さて、ブダペストから日本へ帰る際には、
    ブダペスト→イスタンブール→成田
     
    という旅程でした。行きの飛行機でイスタンブールに忘れた携帯を受け取りにいったところ、「国内線の落し物カウンターにいってください」とのこと。
     
    もうこの時点で期待はなくなりました。
     
    国内線カウンターにいったところ、「携帯はとどいていません」とのこと。
     
     
    まあ、もうなんでもいいや。このあきらめの良さはモントリオール生活でだいぶ鍛えられました。
     
     
    その後、気づいたら乗継便の出発まであと40分しかなかったため、空港をダッシュしてなんとか成田行きの便に滑り込みました。深夜の便で空港が空いてなかったら間に合わなかったかもしれません。
     
    とにかくこうして、結果的にはほんの少しのトラブルと、大きな収穫があったモントリオール-ブダペストの旅でした。
     
     

    2015年7月20日月曜日

    学会旅行スタート

    こんにちは。
    日本はものすごい暑さのようですね。モントリオールも最近は30℃を超える日がでてきました。


    今はモントリオールの空港にいます。これからブダペストに向けて出発です。待ちに待った日がやってきた、という感じです。今日は14時の便なのに朝6時に起きてしまったので、部屋を掃除して、少し5kmくらい走りに行って、荷造りをして、それから空港にきました。空港に2時間30分前についたので、ゆっくりしてます。

    今回は、

    モントリオール→トロント→イスタンブール→ブダペスト(学会)→イスタンブール→東京(学会&帰省)→シカゴ→モントリオール

    という、地球一周の旅をしてきます。。マイルがたくさん貯まりそうです。

    出発前の数日間は、誕生日も近かったということもあり、こちらでできた友達とご飯に行ったり、ご飯を作ってもらったりと、カナダ生活2年してきて、だいぶ生活が落ちついたなぁと少ししんみりと実感しました。

    この2年間は本当にたくさんの人に会うことができて、人の縁の大事さを実感しました。やっぱり困難な時には人の助けが本当に身に染みて有難く思えますし、逆に困難にある人を助けたいと思います。やはりこちらに来て、苦楽を共にしている研究室の仲間や大学院の友人たちは得に絆が強いと思います。

    これからも、たくさんの人に会うと思いますが、これまで苦楽を共にしてきた人たちの縁も大切にしたいものです。どうしても海外に住んでしまうと、日本の友人と連絡も取りにくくなってしまいますが、帰省した時にはやっぱり会いたいもんです。

    ということで、これから8月21日まで、帰国しま~す!!学会の様子など、またアップしたいと思います。

    2015年7月10日金曜日

    大学院生の休暇

    こんにちは。

    お久しぶりです。日本はまだ梅雨のようですが、モントリオールはいよいよ夏本番になってきました。先週まではJazz Festivalがあり、モントリオールのダウンタウンのあちこちでコンサートがたくさんありました。自分も、無料で見れるのだけ選んでいくつか観に行きました。


    さて、この夏でモントリオールに来て2年になります。
    当初は3年の計画できましたが、1年目は授業でほぼ研究には手を付けられず、最低4年はかかることが判明。ということは、いまちょうど折り返し(もしくはその少し手前・・・?)ということになります。これまでの2年間はインプットのみで、とにかく周りに追いつくために知識を吸収して、技術を身につけて、環境に適応して・・・ということに夢中でがむしゃらに取り組んできました。

    今は、ようやくデータ測定も始まり、すこし自分のプロジェクトが軌道に乗ってきました。
    この辺で、次のステップに向けてもう少し前を向いて周りを見わたしてみたいと思います。

    自分のキャリア目標はあくまで日本でリハビリテーションを発展させることにあります。日本のリハビリテーションはすごく進んでいる点と、本当にまだまだ未熟な点があります。いい点はしっかり世界に情報発信して、未熟な点はもっと伸ばす必要があります。


    この2年間で、研究の基礎をしっかり学んできました。ただ、今カナダで経験したことを日本で活かすには準備が必要です。この夏は今後のステップに向けて半歩くらい、前に進めればと思います。

    この夏は、7月22日からブダペストでProgress in Motor Control 2015に参加し、その後7月28日から神戸で神経科学学会に参加してきます。今回の夏休みは、学会からスタートです。今は夏休み前の追い込みで実験や論文執筆で大忙しです。

    ちなみに、まだcomprehensive examの結果は出ていません・・・。予定では6月初旬に結果が出るはずなのですが、そこはモントリオール時間ということでしょうか。。。


    こちらの大学の学部生の夏休みは多様で、ある学生は企業にインターンで働いたり、あるいは研究室でSummer studentとして働いたり、あるいは旅行にでかけたります。一方で大学院生の夏休みに大体の場合、バケーションで旅行に行ったりすることが多いのです。おそらく日々の研究のストレスの発散がやはり必要なのでしょう。ただ、留学生の立場からすると、大学院生こそ、今後のキャリアにつながるような夏休みにしたいものです。


    この夏は、とにかく色々な人に出会って、話を聞いて、世間にはどのような可能性があるのか探ることが一つの目標です。

    2015年6月24日水曜日

    最近少し忘れていたこと

    こんにちは。


    2年前までは日本で理学療法士として働いていましたが、モントリオールに来て以来、常に大学と研究室にいる生活です。

    こうして臨床から離れて自分の研究ばかりに没頭していると、つい大学や研究室にいる意味を忘れてしまいます。

    先日、研究の対象者(みなボランティアで協力してくれる方)に、研究に協力してくれる理由を聞く機会がありました。その方は友人が進行性の神経疾患になり、徐々に運動能力が低下しており、手術など多くの治療行為もなかなか効果が見られないそうです。そんな友人を見ていて、自分にできるのは研究に参加して医学の進歩に少しでも貢献することだ、と言っていました。


    どうして日本からわざわざカナダに来て研究をしているのか??


    どうして対象者にわざわざ研究室に来てもらって実験をするのか??


    どうして日本、カナダの税金を使って研究をしているのか??


    日本の臨床で働いていたときに感じた問題意識や、自分の現状のどうしようもない無力感を忘れないで、研究したいものです。

    2015年6月11日木曜日

    引っ越し

    こんにちは。

    Summer schoolから帰ってから、引っ越しやら実験やらで忙しくしていました。
    引っ越しは友人に手伝ってもらい、半日で完了。モントリオールに来て3回目の引っ越しともなると、もはや慣れたものです。今回はベッド、ソファは新調して、その他の家具は中古のものを買いました。多くの家具を日本人の方に売ってもらったのですが、地元がすごく近いことが分かりびっくりしました。モントリオールで地元の話ができるとは思わなかったです。。


    これまでのダウンタウンとは異なり、住宅街の住みやすい環境に引っ越しました。
    部屋からは緑がたくさん見えて、とてもいい眺めです。



    今日は午前中にインターネットの工事に立ち会う必要があったため、研究室には行かずに、家で仕事をして、午後に新しいランニングコースを発掘しに行きました。

    まずはやはりMont-Royalを走りたいと思い、今日は新居からMont-Royal往復を試みました。延べ17kmのコースです。結果タイムは1時間21分18秒・・・。正直、足がもう動きませんでした。そしてやや脱水気味でした。

    これまでは10km程度のコースでスピードを出して走っていましたが、1時間を超えるロングランは別世界でした。秋にモントリオールマラソンでハーフマラソンを走る予定なので、それに向けて長めの距離も徐々に増やしていきたいと思います。

    2015年6月2日火曜日

    Summer School 2015

    こんにちは。久しぶりのアップです。

    先週の木曜日から月曜日までの5日間、アメリカのペンシルベニアで行われたMotor Control Summer Schoolに参加してきました。Ligonierという小さな町で、自然いっぱいでとてもいい環境でした。




    このSummer schoolはペンシルベニア州立大学のDr. Mark Latashを中心とする運動制御研究の研究者たちが有志で行っているもので、大学院生やポスドク、教員などが参加するものです。宿泊費、食事代を含めて$450と格安です。これだけ参加費が安いのは、講師陣は有志で参加して謝礼なしで講義を行ってくれるためです。


    今年の講師陣は次の通りでした。
    Dr. Anatol Feldman (University of Montreal)
    Dr. Mindy Levin (McGill University)
    Dr. Numa Dancausse (University of Montreal)
    Dr. Segei Adamovich (University of Medicine and Dentistry of New Jersey)
    Dr. Monica Perez (University of Pittsburgh)
    Dr. Mark Latash (Pennsylvania State University)


    参加者は講義中もプレゼンを途中で止めてどんどん質問したり意見したり、議論することが求められています。これまで読んできた論文の著者に間近で直接質問できるとても貴重な機会となりました。自分のポスターも発表することができ、いろいろな意見をもらえてとても有意義な5日間でした。


    このSummer schoolのいいところは、そのスケジュールにあります。
    9:00~12:00講義
    13:00~17:00自由時間
    18:00~21:00講義
    21:00~飲み会


    これを3日間繰り返します。途中の自由時間では、州立公園を散歩したり市内を観光しました。飲み会も含めて、ほかの参加者と交流する機会がたくさんありました。通常の学会ではごく表面的な会話しかできませんが、3日間ともに時間を過ごすと色々な話ができてとても楽しかったです。参加者は30名程度でこぢんまりしているため、密な交流ができます。





    このSummer shcoolはペンシルベニアまたはヨーロッパのどちらかで毎年行われていて、来年はイスラエルの予定です。


    自分の研究も、先日倫理委員会の承認がようやく下りたため、いよいよ実験が開始できそうです。これから夏に向けて、走っていきたいと思います。

    2015年5月24日日曜日

    夏のJean Talon

    こんにちは。

    Jean Talonマーケットはすっかり夏の装いです。
    新鮮な野菜や果物、花などがたくさんあります。








    Comprehensive examの試験結果が出るまで、まだあと2週間くらいあります。それまではどうも十分に羽が伸ばせません。


    来週の木曜日からの5日間は運動制御のサマースクールがペンシルベニアであるので参加してきます。車で12時間くらいかかりますが、たくさん勉強してきたいと思います!


    2015年5月13日水曜日

    ホッケー観戦

    こんにちは。

    モントリオールが本拠地のモントリオールカナディアンズは、野球界でいえばNYヤンキースのような存在です。したがって熱狂的なファンも数多くいます。


    今年はプレーオフに進み、昨日は7回戦中6試合目で、負ければプレーオフ敗退という試合でした。試合はアメリカのTampa bayで行われましたが、昨日はホームグラウンドのBell Centreでは巨大モニターにテレビ中継を流しての観戦ができます。


    普段の試合ならチケットは数百ドルするらしいのですが、TV観戦の時はたった$10で本番さながらの雰囲気を味わえます。ただ選手がいないだけです。。



     
     
    肝心の試合は1-4でボロ負けでしたが、雰囲気を味わえただけで十分たのしめました!!試合が勝つと熱狂的なファンが興奮して暴れだすこともあるようですね。
     
     
    しかしホッケーの試合観戦はとんでもなく早く動く小さいパックをじっと見ているので、なにしろ目が疲れます。個人的には野球観戦のほうがのんびりしていて好きです。今日は目を休めるためにどこか遠くの緑でもじっと見ていたいところですが、残念ながらデータ解析でパソコンとにらめっこでした。。明日は朝早く起きてMont-Royal走って気分転換したいところです!

    2015年5月8日金曜日

    リハビリテーション研究

    こんにちは。

    今日は大学院の研究計画発表会でした。今回は自分は発表ではなく、聞くほうでした。
    研究計画発表は毎年3回、春、秋、冬に行われます。

    自分の通っている大学院は修士・博士課程含めて学生数が約50名いて、すべての学生が修了するためには研究計画の発表を行うことが義務付けられています。

    この研究計画発表会とDefenceに参加するといつも思うのですが、リハビリテーション研究は非常に幅が広いです。たとえば、今日の研究タイトルは次のようでした。

    ① 多発性硬化症患者における自己管理テキストブックの開発と改良


    ②  サウジアラビアにおける多発性硬化症患者の生活レベル、健康観、生活の質に関する調査


    ③ 脳卒中に伴う半側空間無視:目標物への歩行と仮想空間を利用した評価方法の確立


    ④  軽度頭部外傷患者における知覚ー認知トレーニング:臨床的な回復にむけたステップ 

    タイトルだけでは伝わりづらいですが、研究デザイン、対象者、研究フィールドなどは本当に多様です。たとえば上記①は博士課程の学生ですが、プロジェクトの中にはテキストブックの執筆が入っています。その執筆の過程で実際の患者さんや専門職を巻き込んだ、参加型の非常にダイナミックな本になるようです。また②はタイトルにあるようにサウジアラビア出身の学生のプロジェクトで、リハビリテーションには疾患そのもののみではなく文化、宗教など複雑な因子が関わることをよく表していると思います。上記2つは疫学研究グループの学生です。


    一方で③の学生は仮想空間(バーチャルリアリティ)を利用した半側空間無視の研究です。こちらは先に挙げたものよりもサンプル数はずっと少ないですが、半側空間無視の病態のメカニズムに焦点を当てた評価方法を模索する研究です。


    ④は参加しなかったので詳細は分かりませんが、おそらくRCT(無作為化比較試験)だと思います。


    このように、ひとえにリハビリテーション研究といっても、中身は明らかに異なるアプローチを一つにまとめた総称にすぎません。しかし、異なるアプローチの知見を集めるとしっかり体系づけられるところが面白いです。

    リハビリテーション分野の研究で共通して理解する必要があるのは、統計学かもしれません。これがわかると細かい各論が理解できなくても、何を知りたいのか、また研究デザインは目的を解明するのに妥当なものなのかを判断できるようになるようです。


    ただ、統計学の力が全く及ばない分野、たとえば質的研究(Qualitative Research)もあります。なので、「これさえ分かればリハビリテーション研究は理解できる!」という分野はどうやらないようだ・・・というのがこの2年間で実感しています。自分のやっている研究が、リハビリテーション研究という分野でどんな立ち位置にあるのか、しっかり理解してほかの領域との関連性を見失わないことが大事なようです。そうしないと、自分の行っている研究だけが正しいと錯覚することになります。実際にそのような研究者は少なくないように感じます。










     
     

    2015年5月1日金曜日

    Comprehensive Exam 提出完了!!!!!

    こんにちは。

    今日、3か月間にわたるComprehensive Examinationの期間が終了しました。
    この期間は、とにかく自分との戦いでした。なので食事、睡眠、運動、勉強をかなり規則正しくして、修行僧のような生活を送っていました。

    この3か月で走った距離は1,143km。自分でもよく走ったなぁと思います。
    Mont-Royalも4月になって7回走ることができました。
    運動がいかに心身の両面にいいか実感した3か月でした。

    試験の内容は
    ①自由度問題に対する運動制御理論
    ②リーチ動作における協調性評価
    ③Dual-taskingにおける姿勢制御のメカニズム
    のレビュー論文を書きました。計300本を超える論文を読み漁り、自分なりの解釈や予測も含めることができたため、自分なりに全力を出せたと思います。


    この後、各質問で1名の学内、1名の学外、計6名の評価者によって採点されます。
    学外の評価者にはいわゆるBig nameも含まれているため、この機会に最先端の研究者に自分の考えを評価してもらえるいい機会にもなります。


    評価が明らかになるまでの約1か月、夏に向けた準備を進めたいと思います。
    とりあえず今週末はゆっくりしたいと思います。

    2015年4月25日土曜日

    病院の引っ越し

    こんにちは。

    大学のすぐ裏側、ジムのすぐそばにRoyal Victoria Hospitalというお城のような病院があります。

     
     
    1893年から病院として使用され続けているというかなり歴史のある病院で、世界初の腎臓移植が行われたのもここだそうです。当時$90,000でJohn Hamilton-Gordonが購入し、600人の作業員によって建設され、当時の病院建設費用は$800,000と、当時では巨額の費用を投じられたそうです。
     
     
    
    この病院、授業で何度か行く機会があったのですが見た目は写真どおり非常にお洒落です。
    しかし入ってみると壁に亀裂が入っていたり、エレベータはすごい勢いで上がり下がりしたりと、なかなか年代を感じさせられます。そして何よりも、坂の上にある病院のため、病院に行くだけでかなり大変です。冬は当然道が滑りますので、お年寄りは公共交通機関で行くのはかなりきついです。


    そこで新しくモントリオール市内で現在のRoyal Victoria Hospitalから6.3km離れた場所に作られた病院に、4月26日に引っ越しが行われます。


    この新しい病院は13億ドルを投じて建てられました。Super-hospitalとかMega-hospitalなどと言われています。ベッド数は688を予定しており、救急や急性期を中心にかなり設備も増強されたようです。また研究所も病院内に併設されるためMcGill 大学の医学教育・研究の中心機関になるとされています。

    建設時には汚職などすごい問題になったようですが、明日の26日から運用が開始されるとのことです。




    しかし問題が一つ。病床数517の中核病院が6.3km離れた病院に引っ越しするのは容易なことではありません。明日の26日は病院としての機能を一日ストップして入院患者、設備類を引っ越すとのことです。

    この引っ越し作業はオンタリオにある企業が担うとのことですが、前代未聞の規模とのこと。警察も動員してスムーズな引っ越しをサポートするようです。


    明日はモントリオール市内がどんな様子になるのでしょうか。。

    2015年4月9日木曜日

    モントリオールのデモ文化

    こんにちは。

    モントリオールは気温がプラスの日がコンスタントに続くようになり、気持ちよく外を歩けるようになりました。すると最近増えてきたのがデモ行進です。

    先週の木曜の午後は2万人を超える人がSherbrooke通りを封鎖して、デモ行進を行っていました。イースター直前の平日のダウンタウンの大通りだけに影響は大きく、バスは止まるは渋滞はすごいはでなかなか混沌としていました。



    しかしどこかのんびり行進していて、決して暴力的でないあたりがモントリオールらしいです。




    昨年からモントリオール市内でデモが散発していますが、どれも平和的に行われています。彼らがデモを行う理由にはケベック州の財政緊縮策への反対があります。


    ケベック州は慢性的に財政難で、しかも昨今カナダは原油安の影響をもろに受けていて(天然資源はカナダの主要産業)、大胆な緊縮策が打ち出されています。この緊縮策、影響は教育、年金、公務員の給与や退職金、医療、保健、福祉など影響は幅広く、特に大学関係者、公務員を中心に不満が高まっています。

    公務員の抗議はストライキなど直接的な手段ではなく、
    ①抗議のメッセージが書かれたステッカーをいたるところに貼りまくる(地下鉄の車両、消防車、パトカー、救急車、バス)
    パトカー
     
    消防車
     
     
    ②迷彩柄のズボンをはく


    最近はジーンズを履いているポリスも。
    写真の左から2番目の人は野球のズボン??

    一方で学生のデモは過激になりつつあり、昨日はついにUQAM (Université du Québec à Montréal) で大きなデモがあり、警官隊と衝突もあったそうです。。実は自分はUQAMのすぐそばに住んでいて、昨日は深夜12:00過ぎにいきなりデモが始まり大騒ぎでした。英語で叫んでいるところをみると、メディアに対するアピールの目的もあるのではないかと思います。




    朝になってみると大学構内の自販機が壊されるなどかなり激しいデモだったようです。


    UQAMでは大学が授業にならずに大変だそうです。
    一方McGillではまったくデモは行われておらず、これまたすごい温度差です。


    デモをする権利はモントリオールでは広く認められていますが、あくまで平和的に行ってほしいものです。。ただ、政治に対する関心の高さもあるのではないかと思います。いまの日本で大学生が政治的な理由でデモを行う姿はちょっと想像できません・・・

    2015年4月3日金曜日

    春のMont-Royal

    こんにちは。

    今日はモントリオール、10℃まで気温が上がりました。
    イースター(復活祭)の連休ということもあり、街中はホリデームードです。

    10℃まで気温が上がれば、もう外も走れます。予報によるとまた明日から氷点下に戻るらしいので、今日のチャンスを逃すわけにはいきません。


    予定ではMont-Royalの周りを一周しようと走り出したのですが、いざMont-Royalの横を通り過ぎると・・・あれ、意外と雪が少ない!!しかも、ところどころ地表が顔をのぞかせています。そしてよく目を凝らして見ると、散歩道を歩く人の姿が。。


    これは走って登ってみるしかありません。


    いざ登り始めると、こんな感じでした。
     
     
    半分は雪が残され、もう半分は地表が出ています。おそらく、冬の間は雪が残ったところはクロスカントリー用のコースで、土が出ているところは散歩道だったところでしょう。
     
    今となっては土のところは雪融け水でぬかるんでいて、雪の残ったところはシャーベット状といった感じでした。ちょっと走りづらいですが、これはこれでなかなか走り甲斐がありました。砂浜ランニングに似ていますが、上り坂が続くという点と、足が濡れて冷たいという点は違います。スピードが出せないので、ゆっくり景色を見ながら走りました。タイムは25分30秒。
     
     
     少し高いところになると、雪はまだ全体に残っていました。
    中にはまだしぶとくクロスカントリースキーをしている強者も。



    土を削って川ができています。そういえば夏にもクネクネした轍みたいのがありましたが、車の車輪ではなくて雪融け水の跡だったんですね。。
     
     
     
    こんな悪条件の中でも展望台にはこの人だかりです。夏の休日と同じくらい人がいます。待ちに待った春を楽しんでいる感がすごいあります。
     

     
    季節によって色々な表情を見せてくれるMont-Royalはモントリオールのシンボルといってもいいと思います。
    

    2015年3月31日火曜日

    春はまだ??

    こんにちは。

    もう4月。日本では新年度で新たな学年・学校・職場となる人も多いと思います。桜もかなり咲いているようですね。今年は4月に桜の花が咲いている場所が多そうですね。

    そんな日本とはうって変わって、モントリオールは氷点下の日々が続いています。道路の雪はだいぶ減りましたが、まだ外を走るには寒いです。風邪ひきます。Bixi(モントリオールのシェアバイク)は4月15日から再開するそうですが、まだ自転車は寒すぎるのではないかと心配です。


    3月はけっこうコンスタントに走りました。自転車274km、ランニング164kmの計438kmで、自転車の距離を半分にすると計300km走った計算になります。おかげでメキメキと体力がついて、気づけばビルドアップも2000m (@50sec/200m)→2000m (@47sec/200m)→2000m (@45sec/200m)となっています。なかなかいい仕上がりです(なにを目指しているのかはいまだ不明)。

    しかし、6月に目標にしていた研究所での10kmマラソンイベントが今年は中止になってしまいました・・・なんと今年は予算が足りないとか・・・そんな大人の理由で。。。規模小さくしてもいいのでやってほしかった。。。


    勉強の方もまずまず順調です。最後のQuestionにとりかかっていますが、今は運動の自由度問題に対する運動制御理論のレビュー論文を書いています。これが3つのQuestionの中で最も難しく、評価者の先生も最も厳しい問題なのでじっくり取り組みたいと思います。同時に最も面白い質問なのでけっこう楽しめています。今回のComprehensive Examの内容はいずれ分かりやすくブログに載せたいと思います。

    最近はジムのあと家に帰らず図書館で書いています。景色もよくて静かで集中して取り組めていいですねー。。


    2015年3月25日水曜日

    倫理委員会審査の面接終了!!

    こんにちは。

    保健・医学分野の研究では倫理的な配慮が求められます。
    自分のリハビリテーション分野も同じで、実際のデータ測定に入る前に倫理委員会に審査してもらい、承認を得る必要があります。


    この倫理審査、なかなかやっかいでした。
    手順としては
    ①Scientific evaluation (科学的側面からの審査)
    ②Document evaluation (書類審査)
    ③Interview (面接)
    ④Modification (修正)
    ⑤Approval (承認)
    の5つがあります。

    ①のScientific evaluation は、大学ですでに研究計画を発表していれば通らなくてもいいのですが、自分の場合はまだ研究計画の発表をする前段階なので、①からのスタートでした。ここでは研究が行う価値があるのか、を専門家2名にレビューされ、必要があれば修正を求められます。


    ②書類審査にあたっては、研究計画書、同意書、説明書、データ測定時に用いる評価表など、研究で用いるすべての書類(計80ページ)のコピーを16個、合計1280枚の書類を提出しに行きました。ペーパーレスにすることはできないのでしょうか・・・


    ③昨日は面接でした。16人の審査員(各病院、大学、一般市民など)の前で簡単に研究の概要をプレゼンして、その後30分くらい質問を受けました。専門分野ではない人たちにプレゼンしたり、質疑応答をするのは初めてだったので、すごく良い経験になりました。


    ④あとは面接をもとにいくつか修正を求められます。だいたい、同意書のフランス語表記が変だ、と言われるのが通例だそうなので、そこは同僚にヘルプを求めます。


    ⑤そして、ようやく承認です。①~⑤まで、約3ヶ月かかってしまいます。なので、自分はどうせ実験ができないComprehensive Examinationの期間中に倫理審査を行っておいて、終了後すぐにデータ測定にとりかかれるようにしました。


    これで夏に向けて準備ができました。あとはComprehensive Examinationをしっかり終えるのみです!!

    2015年3月13日金曜日

    勉強のお供

    こんにちは。


    勉強のお供に音楽、ラジオ、テレビなどなど、現代ではたくさんの選択肢があります。
    人それぞれ、集中できる環境というのは様々だと思います。

    あまりお供に夢中になってしまうと勉強の支障になるので、難しいところです。
    単調過ぎず、かといって注意を引き付け過ぎない、絶妙なものを選ぶ必要があります。


    そんな中、最近自分がはまっているのが落語です。
    YouTubeにそれこそ何百という噺がアップされていますので、尽きることがありません。
    これまで全然落語に縁はありませんでしたが、まさかカナダで落語にはまるとは思いませんでした。

    ただ、笑点になってしまうと注意が完全に大喜利に向いてしまい、全然仕事がはかどらないことがわかりました。音声だけの落語が勉強のお供には一番よさそうです。


    それにしても落語を聞いていると、噺だけで江戸の世界が頭の中に広がるようで本当にすごいなぁと思います。本を読んでる時と似ているな~。落語を聞いているときと本を読んでいるときの脳の働きって、なにか共通点がありそうな気がします。


    そういえば、カナダ人の噺家が桂一門にいるそうです。
    桂三輝(サンシャイン)さん。


    昨年はモントリオールにも来たとか。英語での落語も聞いてみたいですね。


    2015年3月10日火曜日

    Spring is comming

    こんにちは。

    この数日、気温が氷点下ではなくなり、最高気温が2~5℃くらいの日が続いています。先週までと同じような服装でいると、少し汗ばむくらいです。



    Mont-Royalはまだ雪に覆われていますが、徐々に雪がなくなって4月くらいからは走れるといいなと思います。

    2月はずいぶんと走ることができて、バイクとラン合わせて396km走りました。
    最近は3日続けてジムに行って、1日休んで再び3日ジム通い・・というパターンです。

    1日目:ウェイトトレーニング→スタビリゼーショントレーニング→14kmバイク→5km(2000m 50秒/200m、3000m 45秒/200m)→ストレッチ
    2日目:ウェイトトレーニング→スタビリゼーショントレーニング→14kmトレッドミルラン→ストレッチ
    3日目:ウェイトトレーニング→スタビリゼーショントレーニング→28kmバイク→ストレッチ


    Comprehensive Examはノロノロと進んでいます。

    2015年2月28日土曜日

    宝箱第三弾

    こんにちは。

    実家から小包が届きました。
    今回も、かゆいところに手が届くような、うれしい物ばかりです。



    リストにすると、
    ・カレールー
    ・ちらし寿司のもと
    ・ゆかり
    ・粉末スープいろいろ
    ・ふりかけ
    ・煮干し
    ・米に混ぜる麦
    ・あおさ
    ・すりごま
    ・炊き込みご飯の素
    ・のど飴
    ・ラ王全種類
    ・塩こぶ
    ・とろろこぶ
    ・だし用こぶ
    ・コンソメ
    ・そば
    ・ういろう
    ・切りもち
    ・ランニングシューズ
    ・本

    あおさとか、日本にいるときにはそんなに欲しくならなかったものも、なぜか海外で手に入りづらくなると欲しくなるのって不思議です。


    約半年に一度送ってくれるこの小包は励みになります。
    これでComprehensive exam も乗り切れそうです!!

    2015年2月24日火曜日

    コーヒーをティーポットでいれてみた

    こんにちは。

    日本でフルタイムで働きながら大学院に通っていたときには、コーヒーは毎日の生活に欠かせませんでした。自分がよく飲んでいたのはHillsで、インド人のおじいさんがコーヒーをうまそうに飲んでいるラベルが特徴的です。



    色々な種類があって、量も多いので一日3杯以上は飲んでいたと思います。

    カナダに来てからはコーヒーを控えてお茶を飲むようにしていたのですが、最近、家で書き物をする時間が長くなって、どうしてもコーヒーが欲しくなってきました。

    以前にブラジル人の同僚からお土産にもらったコーヒーがあったのを思い出して、2年ぶりくらいに家でドリップコーヒーを飲むことにしました。

    しかしカナダに来て以来、家でコーヒーをドリップしていなかったのでコーヒードリッパーもフィルターも持っていなかったので、ためしにティーポッドでいれてみることにしました。



    味は・・・うまい。
    ブラジルのコーヒー豆で、しかもフィルターなしということで濃くなるのを心配して少しコーヒーの量を少なくしたのですが、かえってちょうどいいくらいでした。

    一日1・2杯ということにして、勉強のお供にしたいと思います。