2016年1月21日木曜日

カナダ特有?の評価尺度

こんにちは。

たまには理学療法の話題を。
理学療法の現場では、評価も重要な仕事の一つです。
的確な評価なくしては治療は成り立たないといっていいと思います。

患者さんがどのような状態で、どうしてその状態になっているのか、理学療法士として対処できる問題は何なのか、優先順位は・・・・など、理論的に考える能力が要求されます。

評価には様々な方法があります。
思考過程なども人それぞれでで、「アイディア」や「勘」、「センス」といったアートにも似た面があるのも確かかもしれません。

ただ、アートな面だけに頼っていては、「客観性」や「定量化」、「情報の共有」は難しいですし、治療効果はセラピストの技量により大きく左右され、社会全体で見ると理学療法の治療の質が担保されないという事態が起きます。

患者さんに行っている治療が、どのような現象や根拠に基づいているのか、しっかり患者さんご本人やご家族に説明するにはやはり標準化された評価を行うのが重要です。

ただ、その「標準」というのも、こちらに来て感じるのはあくまで自分の周りでの標準で、他の環境では全く標準として使われていないというケースが多くあります。

例えば、脳卒中患者さんの運動機能の評価。

日本ではBrunnstrom Stageが真っ先に評価されますが、こちらカナダ(特に東海岸?)ではChedocke-McMaster Stroke Assessmentという評価尺度が一般的です。
この評価は上下肢の運動機能評価のほかに姿勢や痛みなど多岐にわたる評価項目があります。

ただ、Chedocke-McMaster Stroke Assessmentが広く用いられるのはカナダだけのようで、世界的にはFugl-Meyerが運動機能評価としては一番ポピュラーかもしれません。ただこのどちらも原理はBrunnstrom Stageに基づいています。

Chedocke-McMaster Stroke Assessmentがカナダで広く使われているのは、おそらくこの尺度がカナダ生まれだから、ということでしょうか。。使ってみると、原理はBrunnstrom Stageを基にしているのでわかりやすいですし、もう少し項目も多いのでBrunnstrom Stageよりは情報として有益かもしれません。

運動機能だけでこれだけたくさんの評価があり、さらには基本動作(ベッド周りの動き、立ち座り、歩行など)や地域での参加など広く患者さんの状態を評価しようと思うとたくさんの評価尺度を知る必要があります。


普段行っている当たり前の評価が、病院や地域、国などが変われば違全然使われていない、ということが、けっこう頻繁にあります。





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