2014年4月24日木曜日

留学生の獲得

こんにちは。


オバマ大統領が来日し、安部首相との記者会見の中で「アメリカへ留学する日本人を今年度6000人支援する」との発言がありました。

アメリカへの留学を志している人からすると、棚からぼたもちです。

この支援がどのようなものかはわかりませんが、国外に出ていく留学生を増やすという試み、国を挙げてこれほど大規模に行うというのはあまり聞いたことがありません。
しかも特定の国に向けて。
なにを目指して、6000人の学生をアメリカに送り出すのでしょうか??
若者の交流促進のため?どんな若者が対象なのでしょうか??


多くの国の大学で、留学生の「獲得」は大変重要です。
もちろん日本も例外ではありません。
それはなぜか?

  • 授業料が高く取れる
  • 優秀な人財が多い
  • 人脈が広がる
思いつくのはこんな感じです。
今回はこれらの点を留学生の視点から、考えてみたいと思います。
日本と英語圏の大学しか知りませんので、あしからず。

1.授業料
<日本以外の場合>
国や州、大学によって異なりますが、概して地元出身の学生に比べて留学生は倍以上の授業料を収める必要があります。

また、英語圏の大学では大学付属の語学学校があり、語学力のない段階から留学生を受け入れています。学生にとってのメリットは、これら大学付属の語学学校で特定のレベルの授業を修めると出願の際にTOEFLやIELTSなどのスコアを免除できる場合もあります。

しかし、このスコア免除、落とし穴も多いため、よくよく調べて、頼りすぎないで臨んだほうが安全かもしれません。自分は日本で勉強して、要求されたスコアをクリアしてから出願しました。

このように、授業料や語学学校など、国や大学にとって大きな収入源になるのは間違いありません。留学生の獲得は、大学経営にとっても大変重要なようです。


<日本の場合>
日本への留学生はどうなのでしょうか。
国公立、私立を問わず、多くの大学が日本人の学生と同じ授業料のようです。
また、学費減免制度なるものもあり、授業料は日本人よりも少ないこともあるようです。
(http://www.jpss.jp/ja/life/before/7/)


2.優秀な人財が多い

留学生の獲得のためには、大学を魅力的なものにしなければいけません。
大学の魅力とは?

それは研究・教育・職能・就職が高水準であることではないでしょうか。
これらを実現するのは、教授陣と学生です。

優秀な学生を獲得する→成果が生まれる→評判が高まる→優秀な学生・教員が集まる→学費・研究費が増える→さらに大きな成果が生まれる・・・・

単純ですが、このような好循環が生まれることが大学の価値を高めることにつながり、優秀な人財の確保はその要といえます。

留学生だから優秀、というわけでは決してありませんが、母国を離れてまで勉強する学生、とくに途上国からの留学生はモチベーションも能力も非常に高いです。

またこれらの優秀でモチベーションの高い留学生は現地の学生の刺激にもなります。

3.人脈が広がる

留学生はやがて卒業し、そのまま留学先の国に留まる者もいれば、母国に帰る者、他国に渡る者など、さまざまです。

これらの留学生はやがて様々な国で働くことになります。大学からすれば、卒業生が世界各地にいるということは研究・就職の場が世界中に広がることになります。

国を超えた大規模な研究も卒業生を通して行われることがあります。リハビリテーションの分野でもすでに行われています。



では、日本への留学生はどんな状況なのでしょうか?
日本への留学生の総数は毎年増加しています。

出身国別にみると、 2010年時点では総数137,756名で、中国(62.7%)、韓国(12.1%)、台湾(3.4%)、ベトナム(3.2%)、ネパール(1.8%)の順のようで、アジア圏が92.3%を占めるようです。
http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data12.html

参考までに、カナダへの留学生は265,000名(2012年)です。日本の統計では1桁まで数えているのに対して、カナダでは1000人単位で切り捨てなのも、国柄を反映しています。
http://www.cbie-bcei.ca/about-ie/facts-and-figures/
国別にみると、中国(30.4%)、インド(10.9%)、韓国(7.9%)、サウジアラビア(5.4%)、米国(4.6%)の順です。


先に述べましたが、日本の場合、留学生は学費の安さ、という観点からはとても魅力的な留学先といえます。しかし、もし、日本の大学での留学生の学費が英語圏の大学のように高かったら、本当にこれらの国からの留学生は集まるのでしょうか?


本当に優秀な学生は、英語圏の有名大学へ進学しても奨学金をもらえますので、学費という点はあまり考慮しないかもしれません。

日本の現状では日本への経済的なメリットも、優秀な学生を集めるという観点からも、効果は薄いのではないでしょうか。

現在留学している学生立場からすると、留学生の学費が現地の学生と同額というのは、とてもフェアでありがたく、大きな魅力です。
あとは、学費以外の魅力、つまり大学としての本来の魅力、研究・教育・職能・就職の水準を高めることに尽きるのではないでしょうか。

とても簡単にはいきませんが、お金をジャブジャブ使って学費の支援だけしていても、根本的な解決にはつながらない気がします。。。
留学生が卒業する際に、「学費が安かったからまぁこんなもんか」ではなく、「お金をかけてでも日本に留学してよかった、多くを学べた」、と思ってもらえるような受け入れ態勢ができるといいですね。

ましてや少子高齢化で日本人の学生は今後減る一方なわけですから、留学生獲得は大学や国にとってとても重要な戦略になります。

いま自分はカナダに留学して、すでにすごいたくさんの良い経験をさせてもらっています。
学費が高くても(アメリカよりは安い)、世界中から留学生が集まるのも納得です。

今の経験を、必ず将来日本で役立てたいと思っています。。


2014年4月20日日曜日

Azure Sky

こんにちは。

1週間ぶりに走りに行きました。
今日はMont-Royalの中をゆっくり11kmくらい走りました。

天気もいいし、イースター(復活祭)の連休中ということもあり外でのんびり過ごしている人を多くみかけました。

授業が終わり、来週からはまた研究室通いがスタートします。
夏の一時帰国にむけて研究頑張ります!

まだ木は芽吹いていません


中央左がオリンピック公園。右側にセントローレンス川が見えます

2014年4月17日木曜日

Critical Appraisal

こんにちは。

怒涛の冬学期も残すところあとわずかとなりました。
今週3つのプレゼンとプロジェクトを終え、明日最後のプロジェクトを提出すれば今学期の授業課題はすべて終了になります。

どうやら生き残れました。


今日は研究計画の授業でプレゼンがありました。
内容はGrant applicationを想定したもので、個々人の研究計画をお互いにCritical Appraisal(批判的検討)するものです。もし自分だったらこの研究計画に研究費を支給するか?その根拠はなにか?他人の研究計画の概要をまとめ、さらに批判的検討するというプレゼンです。

学生同士が順位づけし、それがそのまま授業の成績にも一部反映されます。

かなり実践的な授業でこれまで学んだ知識を総動員して皆必死に取り組みました。

日本とカナダの大学院を経験して感じた日本との大きな違いの一つとして、このCritical Appraisalが授業の一環に取り組まれていることと、すでに学生はこれまでの教育でかなり他人の仕事を批判的検討することに慣れていることがあります。

これまでずっと日本で教育を受けてきた自分は、批判する相手がすぐ近くにいるので、始めはかなり戸惑いました。日本だと、ついつい相手の心情を気遣ってあまり批判するということを進んでは行いませんでしたが、学問上の批判は個人的な感情は無いですし、建設的な批判の方法も学びました。

また、批判する側にも相当の知識や論理的な背景が求められます。
あまり考えずに批判すると、かえって返り討ちにあう、ということもあります。


そして、言いたいことを言って議論し尽くすと、なぜか仲間意識も強くなります。

今後も研究で行き詰まったら相談できる仲間がいるというのはとても心強いものです。



2014年4月12日土曜日

Spring has finally come to Montreal!

こんにちは。

きました。春です。気温8℃、快晴。
冬の快晴は気温が下がるサインなので喜べませんが、もう大丈夫。


試験期間に入ったため、ジムが使えません。
なので今日はまた屋外ジョグへ70分くらい出かけました。
今日はNotre-Dame des Cote-des-Neiges Cemetery (ノートルダムコテ・デ・ネジ 墓地)沿いにある道を走ってみました。

ここは自転車の練習にも良さそうです。

St. Josephから。雪が残ってるのでまだ上には登れません。

 
なんか獣臭いと思ったら、警察馬の飼育場があるんですねー。。
 

月曜には24℃の予報です。雨ですが。
そして火曜日は最低気温-6℃の予報です。
寒と暖の差がすごいです。


さぁ、これからお勉強です。来週で今季の授業の課題もすべておしまいです♪
こぴっと頑張ります。

学生生活の実際

こんにちは。

今日は少し学生生活について。
先日、興味深い調査があったので今日はその話題です。


"Survey on the Living Conditions of Quebec university Students"
「ケベック州の大学生の生活状況に関する調査」

  • フルタイムの学生のうち、半数は年$12,200(≒120万円)以下で生活している
  • 80%の学生が、なんらかの仕事をしている
  • 学生の一日の食費平均は$7(≒700円)である
  • 25%の学生が生活費が収入を上回り、借金をしている

 
多くの学生は貧乏で、生活するために勉学に手が回らない・・・しかも十分な栄養が摂れていない可能性がある。というふうに解釈できます。


どの項目が自分に当たるかは別として、学生なら誰しもやはり金銭的な懸念は多かれ少なかれあります。金銭的な懸念があるのは、やはり勉学の大きな妨げになります。


この調査は留学生もカナダ人も含めた調査結果であり、留学生の現実はもっと厳しいです。

例えば先日、同級生から「来学期は一緒に授業を受けられないかもしれない」と打ち明けられました。どうやら、実は今学期の学費が納められていなかったため、休学扱いになる可能性が高いとのこと。今学期受けていた授業も、成績が良くなく単位が取れるかギリギリのところにいます。どうやら仕事に忙しくて勉強に手が回らなかったようです。自分ができるのは学業面で協力することくらいです。。。

厳しいですが、留学生の現実です。

留学する際には、経済面での計画をある程度見通しをもってくることが必要です。
すべては自己責任ですが、予測できて避けられる危機はなるべく避けた方がいいのでは。
高い志をもって留学しても、経済的な理由で夢をあきらめるのはあまりに惜しいです。

多くの大学は優秀な学生には給付型の(返済しなくていい)奨学金がありますから、思い切って行ってみてなんとかなる・・・人もいますが、なんともならない人もいます。

運だけでどうにかなる、というケースは今のところ見たことありません。
成功する人は成功するべく努力しています。

どんな奨学金があるのか、応募資格はなにか、必要な書類は何か、募集期間はいつか、どれくらいの期間、いくらの支援が受けられるのか、情報を集めて早めに準備すること、あとはとにかく普段の勉強や研究を頑張って、実力と成果をつけることが全てです。


親の経済力と子の学力に相関関係があるというゆがんだ社会の現実がありますが、奨学金は狭き門とはいえ、誰にでも公平に機会が与えられます。


世界のあちこちで軍事費は年々うなぎ昇りに増えていますが、教育への支出は一向に増えません。もっと社会が教育や研究に価値を見出して、学生や研究者もそれの期待に応えて社会に成果を還元させられるような好循環が生まれる・・・これってそんなに難しいことんでしょうか。

2014年4月9日水曜日

選挙結果

こんにちは。

先日、ケベックの選挙が行われ、リベラル党派の圧勝に終わりました。
これにより、ケベック州の独立は当分なさそうです。

これまで保守党の党首だった議員(Pauline Mariois)も辞職することになりました。
ケベックの地元の人たちも、州の独立という理想よりも経済の立て直しを求める現実の問題の改善を選んだ結果になりました。

それでも、ケベックの人たちの根底には、やはり自分たちのフランス文化への誇りがあるんだなぁと感じさせられた選挙でもありました。

投票率はまだ出ていませんが、前回2012年時は74.6%で、今回もそのくらいになりそうだとか。
日本では考えられない投票率の高さです。
http://www.thinglink.com/scene/499690007259250688

国民の政治への関わり方の違いがよく分かります。


さて、今日は家にこもってプレゼンの準備をしています。
明日はプレゼンの授業と、研究計画の授業のプレゼンがあります。
今学期の課題であるプレゼンなので、しっかり練習して臨みたいと思います。

研究計画の授業のプレゼンは、クラスメイトの研究計画をCritical appraisal (批判的吟味)し、6分間のプレゼンにまとめるというものです。

自分の研究計画をまとめるのに大変苦労しましたが、今度はお互いに批判しあいましょう、という場です。毎年、批判に耐えられなくて泣いてしまう学生がいるとか・・・。苦笑
せっかくの機会なので、楽しんできたいと思います。


家にこもりきりも体に毒なので、今日は半年ぶりくらいに外を走ってきました。
昨日雨がまとまって降ったおかげで道の雪もだいぶ融けました。
気温は2℃くらいですが、雪がなければ走れます。
気づいたらいつの間にか1時間くらい走ってました。やっぱり外を走るのはいいですね。




2014年4月6日日曜日

週末Cooking

こんにちは。

モントリオールも春でしょうか?
まだ半信半疑ですが、今日は6℃くらいまで気温が上がりました。
庭いじりを始める人、雪をかき分けて子供の遊具を準備する人など、思い思いに春の支度をしている人を見かけました。

なんとなく鳥の鳴き声も増えた気がします。

さて、週末Cooking。家でも勉強ばっかりしてるので、ちょっとした息抜きになります。
平日の弁当にもなるので、昼食代も浮いて一石二鳥!

今日は大根、玉子の煮物を大量に作りました。
煮物は簡単でいいですね。味付けもいい感じです!
これでこの先3日間は煮物を食べ続けることになります。。



明日はケベック州の選挙のため授業はすべてお休みです。
日本人の自分には選挙権がないので関係ないですが、おかげで宿題の締め切りが一週間延びて助かりました。


さぁ今週もはりきっていきましょう~


2014年4月4日金曜日

赤毛のアン:Anne of Green Gables

こんにちは。

日本は桜があちこちで満開のようですね。本当にうらやましいです。

ただ、モントリオールも今日は最高気温が6℃で、徐々に春の兆しが出てきました。
天気予報によると、もう最高気温が氷点下になることはないようです。
しかし、地元の友人はもう一度雪が降るぞ・・・と言っています。


今度のNHKの連続テレビ小説は「赤毛のアン」の翻訳者の話とか。
赤毛のアンの舞台はカナダ東部のプリンスエドワード島です。

モントリオールはセントローレンス川の中州というか中島にあるのですが、その川が流れ込む湾内に、プリンスエドワード島があります。

島なので小ぢんまりした場所なのかと思えば、プリンスエドワード島はとんでもなく広いようです。
スウェーデンの80倍、スイスの7倍、イギリスの41倍、テキサス州の122倍。
切り立った赤土の崖、しずかな砂浜、なだらかな緑の丘・・・あとシーフドもおいしいそうです。



朝ドラをきっかけにカナダに対する関心も増えるでしょうか。